読書のすすめ(おすすめの本紹介①)

こんにちは、くろです。

 

先日気象予報士試験を受けてきました。結果待ちですがすこぶる微妙な出来だったのでギリギリを狙ってく感じになりそうです。若干厳しいかも。うげぇ。

 

さて、最近少しは時間に余裕が出来たので、出かけない日は本を読むことが増えました。読書家ほどではありませんが、自分は小説を中心に雑多に読書をするのが好きです。秋も深まってきそうだし、今回は自分の「おすすめの本」を紹介してみようと思います!(スマホが古すぎてカメラが調子悪かったのは大目に見てください泣)

 

 

 

1)「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ 三上延

 

もともと自分は小学生の頃に小説を読む方ではありませんでした。とりあえずセミとかカブトムシとかを捕まえるために暴れまわったり、恐竜の図鑑とかを見てるようなタイプです。

そんなアホガキが小6の頃になんとなく読み始めた「ビブリア古書堂の事件手帖」。当時ドラマか何かをやってて気になって読んでみたところドハマりして今に至ります。

おそらく自分が小説を読むようになるきっかけをくれた本です。

 

前置きが長くなりましたね。この小説の舞台は北鎌倉の古書店であるビブリア古書堂。古書に関して並々ならぬ知識を持つ人見知りの店主篠川栞子と、とあるきっかけからビブリア古書堂で働くことになった五浦大輔の2人を中心に物語が展開されていきます。

「事件手帖」というタイトルからも推理小説を想起した方が多いのではないでしょうか?実際、古書にまつわる事件や謎などを解決していくストーリーですが、事件の解決もさながら、登場人物の心情や関わり方に焦点が置かれているのが特徴です。

というのもこの小説全体の根底に「古書には本の中身だけでなく、受け継がれた人々の間にも物語がある」という考え方があります。一度誰かの手に渡った本がどのような想いで残されているのか、売りに出されているのか、受け継がれたのか。古書に託された想いを見ていくお話です。

文豪や漫画家等の知識も増えるし、登場人物の様々な感情が短編のような形で描かれていて、おまけに文章も現代人にとっては凄く読みやすいです。ラノベくらい読みやすいと思う。

 

ハマれば本が好きになること間違いないので子どもから大人までいろいろな人にお勧めしやすい内容ですね!

 

2)「流浪の月」 凪良ゆう

 

次に紹介する「流浪の月」は、2020年の第17回本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの小説です。最近松坂桃李さんと広瀬すずさん主演で映画化もされました。

語弊無くあらすじを説明するのが難しいのですが、かつて起きた誘拐事件の「犯人」であると、当時10歳の「被害者」である更紗が時を隔てて再び出会い、関わり合うお話です。

あえて「」をつけたのは、誘拐事件の犯人とされる文が悪人として描かれていないからです。それどころか、更紗にとってはかけがえのない存在(良い意味)として描かれており、これにはお互いの深い事情が交錯しています。

世間的に「2人が再び交流することはおかしい」という観点は物語の中で何度も出てきます。ただし本人たちからすればその常識や固定観念に捉えられない想いがあり、友情でも恋愛でもない不思議な関係性が終始物語の軸として存在しいます。

凪良ゆうさん、本来はBL作家らしいのですが、この難しいテーマを文章表現するのが上手いんですよね。一言で表せないような文と更紗の関係を、読む側は見守っていたくなります。それでもやっぱり世間体を考えると窮屈に生きなければならない部分もあるし、リアルにも事情があってたくさんそういう人が暮らしているかもしれないな、と思ってみたり。

哀れみ無しにそういった人々にも寄り添える人になれたらいいなぁと考えたりもしました。

 

最近文庫本サイズも発売されてどこの書店にも置いてある印象があるので、普段あまり本を読まないよって人でも探しやすいと思います。ぜひ一度ご覧になってください♪

 

3)「対岸の彼女角田光代

今回のブログで一番紹介したかった本です。というのも「流浪の月」と並んでこの小説は自分の性格面に影響を与えているように思います。

 

対岸の彼女は2004年に発表され、同年の第132回直木賞を受賞した作品です。

主人公は35歳で同い年の女性2人。3歳の娘を持つ専業主婦の小夜子と、家庭を持たず仕事に打ち込み、プラチナプラネットという会社の女社長を務めるです。お話は家事や子育ての中で家庭環境や人間関係に歯がゆさを感じていた小夜子が職を探すところから始まります。プラチナプラネットの面接を受けて採用が決まった小夜子は、同い年でさっぱりとした明るい性格の葵を気に入り、掃除の代行サービス部門として働き始めます。

小夜子は主婦をしながら仕事に葛藤や生きがいを体感しますが、生活における考え方の違い等、様々な関係性に亀裂も入っていき….といった流れです。自分は男なのですべての感情を理解出来ると言ってはいけないと思いますが、女性同士でも立場や家庭が違えば、わかり合えない事・それでも通じ合えること、両方あるんだろうなあとも感じました。

 特に自分が惹かれた点についてお話ししたいと思います。実はこの小説、小説内での「現在パート」と「過去パート(おそらく約20年前ごろ~)」を交互に読み進める形になっています。先ほど自分があらすじとして書いた部分は「現在パート」ですので、小説内で今起きていることをなるべくネタバレが少ないように書きました。こういった物語の書き方は珍しくありませんが、読み進める中で段々と登場人物の過去の経験や事情を察しながら現在パートを読めるようになるんですよね。過去を察せるかどうかで人の見方は変わる。この物語においてとても効果的な構成だと感じました。特に最後の方。人間関係って難しいよね

 「流浪の月」でも感じましたが、このような小説を読むと「人に優しくいたい」と思えるようになります。というのも、男女関わらずいろんな人がいて、合う合わない関係性がある中でも、「あの人はああいう人だからダメ」みたいな定義のつけ方はしたくないなと。それぞれの生活を歩んだ上でその人たちが存在しているから、良いところや嫌に思うところにも事情があるのかな?と。

理解まではいかなくとも、多少なりの気遣いが出来る人になりたいと思わせてくれます。自分は登場人物の葵に強い思い入れを感じていて、恥ずかしながらそのようなことを考えてしまいました。というかすごい泣いた

 

長々あらすじより自分の感想や主観を語ってしまったかもしれません。男女かかわらず読んで感じるところは数多くあると思います。興味があればぜひ読んでみてください!

 

 

4)「俺か、俺以外か。」 ROLAND

 

ちょっと重め(?)の話を続けてしまった気がするので少し違った方向で紹介をしようと思います。

この話を友人やバイト先の塾の生徒などにすると笑われるのですが、

自分はRolandさんがとてもとても大好きなんです!!!!

彼の一般的な印象というと、例えばこの本のタイトル「俺か、俺以外か。」のようなオモシロ名言や、バラエティー番組でのなんか面白い発言が目立っている感じでしょうか。

ただ、よく見てみると彼はその場その場で最適な行動をとったり、愛嬌を持ちつつ言葉を選んだ気遣いなどがとても上手に見えるんですよね。だからお客さんにも伝わってホスト界でトップになれたのかなぁと思います。

さて、紹介する本「俺か、俺以外か。」はそんなRolandさんの人生観や仕事観などがい端的な文章で多く触れられています。私は自己啓発本の類はあまり読まないのですが、読んでみると説得力のある彼のプロ意識や信念のようなものが書かれており、見習いたいなあと思うことがたくさんありました。こういった部分を自分なりに解釈して成長(?)していけたら良いのかな?

 彼のYoutubeとかを見てても思うのは、Rolandさんの良いところって自分の矜持を持ちつつも人の話に耳を傾けられることだと思うんですよね。人を傷つけて盛り上げるタイプの会話はしないのでやっぱり品があるなぁって感じ。

彼に関わらずとも、気になった人の自伝やエッセイなどを読んでみるのも楽しいかもしれませんね!

 

5)「同志少女よ、敵を撃て」 逢坂冬馬

 

表紙のインパクトが凄い!!!!

最後に紹介するのは今年(2022年)の本屋大賞を受賞した作品「同志少女よ、敵を撃て」です。

舞台は第二次世界大戦独ソ戦ソ連の片田舎に住んでいた少女セラフィマが、ドイツ軍に村の人々や家族を殺され、復讐心を胸に女性狙撃兵として生きていくお話です。セラフィマ自身は村に駆け付けた赤軍(ソ連の軍隊)のイリーナに間一髪で拾われるのですが、立ち去る際に村を焼いたため復讐心は隠すことなくイリーナにも向いています。

 セラフィマはもともと外交官になってドイツとソ連を仲良くしたい!と淡く願っていた少女。そんな彼女が「狙撃兵として成長する」というテーマ自体が戦争の辛さを掻き立てますね。狙撃兵の養成校で同じく女性の狙撃兵見習いが登場しますが、いずれも家族を殺されるなどして心に傷を抱えた同志ばかりでした。

戦争の意味や悲惨さ、あるいは綺麗事ばかりではないんだということがひしひしと感じる作品だと思います。また、単純に戦闘時の臨場感もハラハラドキドキしながら読めるので色々な方面からの楽しみ方が出来ると思います。自分は明るくないけどミリタリー詳しい方はもっと戦争の様子が鮮明にイメージできるのかも。

もちろん戦闘面のみならず、ジェンダーに関することや、ロシアとウクライナについて考えるきっかけにもなると思います。自分も専門の地域や範囲は違えど一応学生として歴史学ジェンダー論を学んでいたのでそういった視点からも興味深く読み進めることが出来ました。

 

6)おわりに

今回も長々とブログを書き連ねてしまいました。読みにくくなっていたらごめんなさい。また、1作品でも読んでいただけたのであればこれ以上に嬉しいことはないです。

 ただやっぱり、娯楽としての読書は「自分が気になったものを読む」あるいは「信頼できる人が薦めてくれたものを読む」ことを優先して良いと思います。それはジャンルや分量に関わらず最も大切なことだと自分は考えていますね。

 とはいえたまには普段と違うジャンルの本を読んでみることも意外と楽しいと思います。自分も大学に入ってからはいろんなジャンルの本やドラマやアニメを見るようにしていますが、単純に面白くて楽しかったものもあれば、意図せず自分の身になったものもたくさんありました。

あまり硬く考えずに気になったものをどしどし読んでみると楽しさも広がっていくかなー?と思います!!!

 

長くなりましたが少しでも読んでくださった方、本当にありがとうございました!!!

少しでも自分の拙い文で興味を持っていただければうれしいです。

                                 

くろ